横山峠を背景に、田んぼの緑がぐっと濃くなってきました。
いつもの定点カメラから横山峠を眺めていると、この地方特有の“やませ”が海の方から静かに流れ込んできました。ひんやりとした空気がふっと肌に触れるようで、遠くの山並みが少しずつ白く霞みはじめています。霧状の靄は、まるで田んぼへ向かって手を伸ばすように、ゆっくりと広がっていく気配を見せています。

梅雨の湿り気が空気にまとわりつき、山の稜線は青みを帯びてしっとりと落ち着いた表情に。晴れの日のくっきりとした輪郭とは違い、今日はどこか柔らかく、横山峠らしい静けさが際立っています。
田んぼの緑は雨に濡れてさらに深まり、風が止むと水面が鏡のように山影を映し返します。やませが運んでくる冷たい空気と、梅雨の湿度が混ざり合うこの独特の気候は、ここで暮らす人にとっては「夏の入り口の合図」のようなもの。季節がゆっくりと次の段階へ進んでいくのを、今日の空模様がそっと教えてくれているようでした。


